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植物画家
白石正子 さん 
白石さん写真

プロフィール
白石正子
―しらいしまさこ
昭和60年に植物画と出会い、ご縁があって、小倉・ギャラ リー加里奈のオーナー佐藤信恵さん(故人)に可愛がっていただきました。西日本文化サークル北九州の(元)事務局長代行の川越淳二志さんの励まし。それに何時も植物を持ってきてくださったご近所の方がたや、個展にみえられるお客様の励ましを戴いてここまで来ました。さらに九州民芸村の広田さんは、絵を掛ける場所の提供をしてくださったりと、多くの方がたに支えられて只今修行中です。
今回は、植物画家・白石正子さんにリレーがつながりました。
白石さんと植物画(ボタニカル・アート)の出会いや、植物画の歴史(これがとても古くからあるのです!)など色々なことを教えてくださるエッセイが届いています!
文中の、白石さん作の植物画も本当にすばらしいです!
 ※白石さんの作品は、こちらのサイトにたくさん紹介されています!
コラムの最後では、植物画の描き方も伝授してくださっています!

植物画って何ですか

白石さんの作品「コスモス」 植物画は一口で言うと「植物の肖像画」です。 その歴史は、紀元前1500年以上遡る古代エジプトのカルナック神殿の石のレリーフに始まるといわれています。16世紀イタリア・ルネッサンス時代にはレオナルド・ダ・ビンチやデューラーがすばらしい作品を残しています。
 ヨーロッパでは、絵画は宗教や歴史を物語として、絵にしてきた歴史があるそうです。しかし、植物画は教養がなくても描ける絵です。マリー・アントワネットやナポレオン妃のジョセフィーヌに、植物画の手ほどきをしたルドゥテ。その人にナポレオンは「君はそれほどの才能を持っていながら何故花の絵ばかり描くのか」と問いかけます。貧しい階級の彼は「わたしは正規の教育を受けた画家ではありませんから、好きな花を描くことしか知らないのです」と答えています。

 かって、写真のない時代はこの植物画がその品種の確定や、園芸のカタログにおおいに貢献しました。今でも、ボタニカル・イラストレーションという言葉を耳にすることがありますね。

 ヨーロッパと東洋とは独自の発達の過程を経て、植物画が描かれるようになりました。ヨーロッパの修道院などは薬草の覚えために描きました。東洋でも本草学として、植物画が残されています。江戸時代は、医師や学者、現在は理学博士の描かれた絵を見ることがありませんか。
 このあたりは、芸術とは全く違った発達をしています。
 いかに特殊な絵かというのは美術大学に植物画科がないことからもわかりますね。
 みなさん良くご存じのシーボルトの『フローラ・ヤポニカ』は長崎の画家川原慶賀の描いた膨大な植物画を元に出版されたものです。これは植物の販売カタログにもなる学術的な絵として評価されています。
 植物画は、貴族達に好まれた様な装飾的な物と、より学術的な物に分かれると思います。又それらは描く人の好みによって、それぞれのその人にしか描けないと言われる植物画が出来るのです。


植物画との出会いは…

白石さんの作品「中央図書館の横で」 私と植物画との出会いは、昭和60年・・・まだ18年ほどの付き合いです。きっかけは実に単純な物で、連れ合いの母、つまり姑が亡くなり、舅が他県の里でひとり暮らしになったからです。義姉達が舅に「毎日電話するね」と言ってますが、とても私にはそんな芸当は出来そうに有りません。したがって、葉書を書くことにしたのです。葉書は文字ばかりより、絵があると楽しいですよね。
 といっても芸術系の学校なんて出ていません。いくら葉書でも毎日では描く物に困ります。自然に季節毎の身の回りの植物を探して、自分の好きなように描くようになりました。文は宛名の下を区切って書いて、毎日同じ時間にポストにいくのです。葉書が重なって届いたり、届かない日があったりしないようにね。1周忌までは毎日。でも間で七七日や百箇日など顔を会わせた日は送れません。義父の家に泊まってるのですから。
 毎日描いていると絵の材料に困ります。三年目はぽちぽち、一方通行の便りで、押しつけは重々承知ですから、反省しては性懲りもなく、せっせせっせと送り続けました。

白石さんの植物画の教室 そのうち、小さな葉書から次第に大きくなって、現在のような植物の実物大を描くようになりました。 変わった絵だと言って、人が見に来て下さるようになりました。が、私は自分がボタニカル・アートという植物画を描いているとは知りませんでした。
 「ボタニカル・アートでしょう?」
 「さあ?よくわかりません。違うと思いますよ」
 本当に自分が植物学的な絵を描いているなんて、思いも因らないことでした。今では小さな教室を用意していただいて、私などの足下にも及ばないほどの植物好きの方々と楽しい時間を持たせて戴いています。
 絵は所詮絵でしかありません。しかし、厳密には植物学の勉強にもなリ、植物から文学、衣、食、住などに派生して、いろいろなことを学ぶ楽しみがあります。

 誰でも描きたくなったら、紙と鉛筆さえあれば・・あ、その前に描きたい植物に出会たらじっくり彼らとお話してください・・描けます。鉛筆で書けたら充分です。あなたもご自分で描かれた絵でお部屋を飾ってみませんか。

植物画を描いてみよう!
1.植物画を描くための決まり
(現在日本のコンクールでは、用紙はB4サイズのケント紙または細目の専用紙 )
1) 植物を実物大に描くこと(縮小の場合は横にそのことを書いておく)
2) 紙からはみ出さない様に描くこと
3) 描き始めたら目線を変え無いこと 装飾的な植物画でない場合は、描いた物が特定の分類を示す特徴を備えていなくてはいけません。平たく言うと植物図鑑になり得るかということです。

2.表現の方法 (コンクールでは絵の具)
1) 鉛筆画・・印刷に適している。ペン画以上に努力を要すが基本は鉛筆。
2) ペン画・・植物の専門書に使われる
3) 水彩絵の具・・過去から現在まで多く描かれる
4) アクリル絵の具
1)から4)の自分に合った方法で、自由に植物とお話してみましょう。
ありがとうございました。

それにしても、毎日絵手紙を描きつづけていたなんてすごいことですよね!きっとお舅さんも、毎日首を長〜くしてはがきの到着を待たれていたことでしょうね。
さあ、 あなたも庭のお気に入りの植物から描いてみませんか!?
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